2009年 05月 25日
自分のものさし。 |
近所のカフェで古道具坂田の店主、坂田さんのお話会があった。
「私が好きなもの 美しいものを選ぶものさし」
たんたんと、そしてわかりやすい言葉で話しをする坂田さん。
質問がバンバン飛び出すほど大盛況だった。
忘れないように話の内容をメモ。
坂田さんが天才と考える目利きがふたり、利休と宋悦。
彼らはちゃんと箱(建築物)にあったものを選んでいたというお話。
利休は茶室にお茶碗。
柳は民家に民芸。
たとえば、今、私が住んでいる普通のマンションに
もし利休が茶碗を持ってきてくれてもなかなか合わないし、
こてこての民芸はなかなかしっくりこない。
また、今人気の白洲正子のお話。
白洲さんは晩年、坂田さんのお店を訪れていたそうだ。
そのとき、坂田さんはあえて、
1000円とか2000円のものを並べたという。
青山二郎やら白洲正子やらは裕福な人々。
裕福な人の骨董選び。目利き。
だからこそ、
今は「日常品の中の美」が見直されていると思うそうだ。
坂田さんは最後に言った。
「僕が物を選ぶときのものさしは、金属なんかじゃなくて
木とプラスティックでできていて・・・。
右へ左へとゆらゆら揺さぶられて、しなって。
使って使って使って・・・
そして、
最後には目盛りも見えなくなってる、そんなものさし」
話を聞いていたら、
ものをひとつ選ぶということは
なんだか人との付き合い方とか、人生の歩み方とか
おおげさかもしれないけれどそんなことすべてにつながっている気がしてきた。
さて、自分のものさしはどんなだろう。
by kero-kerocco
| 2009-05-25 00:00
| 精進するべし